文部科学省は全国の学校・教育委員会に向けた「虐待対応の手引き」を作成し、5月9日に公表しました。
千葉県野田市で10歳の女の子が虐待死した事件を受けての緊急対策の一環として作成されました。
手引きは、子どもの観察の仕方、児童相談所に通告する方法や、通告後の対応などを具体的に示しています。
「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」は、文部科学省ウェブサイトにPDF形式で掲載されています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1416474.htm
手引きは「学校・教職員は虐待を発見しやすい立場にあることを自覚した上で虐待の早期発見に努めなければなりません」と明記しており、「通告が誤りだったとしても基本的に刑事上、民事上の責任を問われない」と強調しています。
野田市の事件では、女の子が学校のアンケートで虐待を訴え、保護されたにも関わらず、父親が小学校に「訴訟を起こす」などと迫っていました。
市教委の担当者は、女の子の「同意書」を持って訪れた父親にアンケートの写しを手渡してしまっていました。
手引きは、保護者との関係より子どもの安全を優先し、威圧的な態度の保護者に対しては毅然(きぜん)とした対応をとるよう求めています。
また、虐待リスクを早期発見するためのチェックシートが盛り込まれました。
児童生徒の様子については「表情が乏しく、受け答えが少ない」「季節にそぐわない服装をしている」「食べ物への執着が強い」「過度なスキンシップを求める」など31項目がある他、保護者の様子と家族・家庭の状況が合わせて23項目あります(手引きの9~12ページ)。
この他、健康診断などの場面で子どもの身体をチェックすることや、子どもの発言内容、外傷のスケッチなどの具体的記録を残すことなどが大切だとしています。
もし虐待リスクの高い子どもが7日以上欠席した場合、欠席理由に関わらず、学校が児童相談所などに速やかに情報提供するよう求めています。
社会で子育てドットコム編集部
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