児童養護施設などで暮らす子どものオンライン授業対応について、厚生労働省が補正予算で補助することが明らかになりました。
4月30日に国会で成立した補正予算の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」には、児童福祉施設の新型コロナ対応にかかる経費の補助が計上されています。
補正予算が閣議決定された4月7日の時点で、厚生労働省はこの補助の対象として①マスクなどの衛生用品の購入費用、②施設内の消毒費用、③施設で使う感染症予防の啓発ポスター作成などの費用、④感染が疑われる人が出た場合に備えて個室を整備するなどの改修にかかる費用、の4つだけを挙げていました。(厚生労働省による事務連絡 )
4月9日にNPO法人ライツオン・チルドレンが厚生労働省に聞き取った際は、オンライン授業対応について特段の措置は考えていない、との回答でした。
しかし、5月1日に改めて厚生労働省に確認したところ、「オンライン授業に必要なインターネット環境の整備費用や、パソコン・タブレット等の購入費用」も補助の対象に含めることができるという回答でした。
具体的には、ネットやパソコン等の整備費用を、上記④の個室などの改修費用の中に含めることができるということです。
改修費用は、1施設あたり最大800万円、里親は「1か所当たり最大100万円」の補助が受けられるとされています。
ただし、施設や里親のもとを巣立った出身者(退所者)については、オンライン授業対応の補助の対象に入っていません。
出身者向けの支援策としては、以前からある「自立支援資金貸付事業」の運用を変更することが掲げられています。(厚生労働省による事務連絡 )
厚生労働省は、オンライン授業対応を補助に含めることついて、4月21日以降に自治体に連絡しているとのことです。(ただし厚生労働省ホームページの「児童養護施設等における新型コロナウイルス対応関連情報」にはまだ掲載されていません。)
国がオンライン授業対応を補助するという情報は、各施設への伝達が始まったばかりの模様です。
ライツオン・チルドレンでは4月20日以降も施設にアンケートを依頼して、パソコン寄贈のニーズがあるか把握に努めていますが、この補助金について触れた施設はまだありません(1日夕方現在)。
この補助金を実際にオンライン授業対応のために施設に支給するかどうかは、各自治体※がこれから検討し、決定されます。
各施設がオンライン授業のために具体的にどの程度の補助を受けられるかはまだはっきりせず、判明するまでさらに数ヶ月かかる可能性があります。
※ 各自治体 … 都道府県・政令指定都市と、児童相談所を設置する中核市。
ライツオン・チルドレンの対応
NPO法人ライツオン・チルドレンでは、児童養護施設でオンライン学習に使うパソコンの購入費用として、4月13日から広く寄付を募ってきました。メディアに取り上げて頂いたこともあり、多くの寄付金が集まっております。
この寄付のお願いは予定通り5月6日までとさせて頂きますが、今回の国による補助金の内容を精査した上で、寄付金の使い方を改めて検討し、ホームページなどで皆様にご説明させて頂きます。
また、現在も児童養護施設にパソコンを届けておりますので、近日中に2回目の経過報告をさせて頂きます。
5月7日以降に頂いた寄付金の使い道に関しては、新型コロナ対応も含めて、社会的養護の子ども・出身者への支援などの活動に充てさせて頂く方針です。
NPO法人ライツオン・チルドレン
ライツオン・チルドレンは「社会で子育てドットコム」を運営しているNPO法人です。児童養護施設などの子どもたちに向けたパソコン講習会などのスキル研修・自立支援の活動や、企業等と連携した児童福祉の普及啓発に取り組んでいます。活動のひとつひとつが企業や個人の皆さまからのご寄付・ご支援によって成り立っています。寄付はこちらから→ https://lightson-children.com/support/#donation
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