3月28日、保護者による子どもへの体罰の禁止などを盛り込んだ虐待防止条例案が東京都議会で審議され、全会一致で可決・成立しました。
時事通信など報道各社が報じました。

写真は都議会議事堂。/ Photo by くろふね (CC-BY 3.0)

今回可決された条例は「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」で、2019年4月1日から施行されます。
この条例では、子どもに肉体的または精神的苦痛を与える保護者の行為を「子供の品位を傷つける罰」として禁じていて、体罰だけでなく暴言なども合わせて禁止しています。
罰則は設けられていません。
体罰の禁止については、都が募集したパブリックコメントで多くの意見が寄せられ、しつけや懲戒権との兼ね合いから懸念や戸惑いの声も上がっていました。
都は、民法の懲戒権の規定は、子どもの利益に反する行為まで認めるものではない、との考えを示しています。

また、2018年3月に目黒区で5歳の女の子が虐待死した事件などへの反省を踏まえ、条例では転居時に児相間で緊急性に応じて的確な引き継ぎを行うことや、警察と情報共有を徹底することを規定しています。
さらに、虐待の早期発見のために、都が虐待を通告しやすい環境を整備することを定め、保護者が乳幼児の健康診査の受診奨励に応じることを努力義務として盛り込んでいます。

体罰等の禁止をめぐっては、政府が児童福祉法などの改正案を国会に提出し、今国会での早期成立を目指しています。
これに先立って、都の条例が成立・施行されることになりました。