東京都は、児童虐待を防止するためのLINE相談を2019年8月1日から通年で実施することになりました[1]。
子ども虐待防止のため、2018年11月に期間限定でトライアル実施した取り組みを本格的にスタートさせることになります。
相談窓口となるLINEアカウントは「子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京」。
「親の気持ち・子どもの気持ちがわからない」など親子のかかわりで困っていること、子育ての悩みなどを気軽に相談できる窓口として開設します。
対象は都内に住む児童(18歳未満)と保護者です。
「親からいつも怒られる」「親に話を聞いてもらえない」などの子どもからの相談、「育児が大変、疲れた」「イライラして子どもを叩いてしまいそう」などの親からの相談を受け付けます。
対応時間は平日9時00分~21時00分、土日祝 9時00分~17時00分となっています。
ただし対応時間外であっても返信を希望する旨のメッセージを送れば、相談対応時間内に改めてやり取りを開始することができるということです。
なお都は、虐待の通告の場合はこのLINEアカウントを利用せず、電話で児童相談所全国共通ダイヤル「189」を利用するよう呼び掛けています。
2018年のトライアル実施の結果
都の子ども虐待防止のためのLINE相談は、2018年11月にトライアル(試行)実施されていました。
トライアル結果[2]を見ると、土日を含む2週間相談を受け付けた結果、640件のアクセスがあり、576件の相談に対応できたとしています(相談者実人数は375人)。
同じ期間に電話で受けた相談は約390件で、LINE相談のほうが1.5倍近い件数を受けたことになります。
相談者の内訳は保護者が約5割、子どもが約1割、第三者・不明が残りの4割でした。
また、LINEで対応した相談のうち、児童相談所に引き継いだものが8件あったとしています。
LINEなどのチャットを通じた相談によって、より多くの親子に相談の機会が広がることが期待されます。
社会で子育てドットコム編集部
「社会で子育てドットコム」編集部では、虐待や経済的事情などの理由により親と暮らせない子どもたちを中心に、児童福祉についてニュース紹介や記事の執筆をしています。NPO法人ライツオン・チルドレンが運営しています(寄付はこちらから→ https://lightson-children.com/support/#donation )。
関連記事
最近の記事
- メディア掲載:「世界の児童と母性」89号―「コロナ禍で顕在化した子どもたちの ICT 環境整備の課題」
- ドイツ銀行グループ様の母子生活支援施設向け助成を実施しました
- ライツオン・チルドレンより、新年のご挨拶
- 経過報告(2):東京の児童養護施設10か所にパソコン72台を贈りました
- 「児童福祉施設でITを活用するための情報サイト」を公開しました
- 「児童養護施設にパソコンを贈る取り組み」を千葉・埼玉・神奈川の3県に拡大します
- 児童養護施設などのオンライン授業対応、国が補正予算で補助【5月7日追記】
- 経過報告(1):東京の児童養護施設20か所にパソコン125台を贈りました
- 東京の児童養護施設、オンライン学習対応に苦慮――緊急アンケート結果
- 2020年代の社会的養育を描く「推進計画」、各自治体でまとまる――里親委託の目標値は国と大きなズレ
人気の記事
- 表参道駅近くに新設計画の児童相談所などの複合施設、地元で反対の呼びかけに直面【12月19日追記】
- 児童養護施設にモノを贈るときのポイント――何が喜ばれる?注意すべき点は?
- 「母子生活支援施設」ってどんなところ?(前編)――DVシェルター以上の役割
- 里親と養子縁組を混同しないために、知っておきたい4つのこと
- 児童養護施設で暮らす子どもを短期間預かり、家庭経験を――「フレンドホーム」という仕組み
- 災害や病気で子育てができなくなった!→祖父母やきょうだいが子どもを引き取る場合、自治体から金銭的支援が受けられます
- 特別養子縁組の対象拡大、2020年4月から施行
- これって子ども虐待かも…と思ったとき、連絡するのはここ! 電話番号「189」
- 子ども虐待対応件数、平成30年度は16万件――前年度から20%増で過去最多
- 一時保護中のストレスや不安を少しでも軽減させるために――「一時保護委託」の環境整備