改正民法が成立、2022年4月から「18歳で成人」―児童養護施設等への影響は

成人年齢を20歳から18歳に引き下げることなどを盛り込んだ改正民法が、6月13日の参議院本会議で可決・成立しました。NHKなど報道各社が伝えました。4年後の2022年の4月1日から施行され、18歳から「成人」となります。

写真は国会議事堂。/ Copyright 2006 Kim Ahlström, posted on flickr (CC-BY 2.0)

改正民法は、成人年齢の引き下げの他、女性が結婚できる年齢を16歳から18歳に引き上げて男女ともに結婚できる年齢を18歳とすることなどが盛り込まれています。

関連する22の法律も同時に改正されました。
飲酒・喫煙、競馬などの公営のギャンブルはこれまでどおり20歳未満は禁止となるので注意が必要です。
親などの同意なしにローンやクレジットカードの契約を行うことなどは18歳から可能とする一方、親の同意のない法律行為を取り消せる「未成年者取消権」は18歳から行使できなくなることになります。若い人の消費者被害を防ぐため、2年以内に必要な法整備を検討するなどとした付帯決議も採択されました。
また性同一性障害の人が家庭裁判所に性別変更を申し立てられる年齢は18歳以上となります。
なお、選挙権については2015年に改正公職選挙法が成立し、すでに18歳、19歳の人たちが選挙で投票をできるようになっています。

これまでは民法で定める「未成年者」が20歳未満、児童福祉法に定める「児童」は18歳未満であり、定義にズレがありましたが、改正民法の施行後はどちらも18歳未満となります。
児童養護施設・里親での養育の措置は、現行制度のもとでは原則として18歳まで、措置延長は最長で満20歳までとなっています。
今回の法改正により措置延長となった人も成人になるので、その監護者に関係する児童虐待防止法の規定が削除されます。

成人年齢と措置延長をめぐっては、5月の衆議院法務委員会で児童養護施設などを運営する社会福祉法人旭児童ホームの伊達直利理事長が参考人として意見を述べました。福祉新聞が伝えました。伊達氏は、現在の社会的養護は18歳以降の支援が弱いとし、成人年齢の引き下げによってさらに弱くなることを懸念するとして、法改正に反対する立場を示していました。
一方、18歳かそれ以降に児童養護施設・里親のもとを離れて自立生活を始める若者にとって、20歳まで携帯電話やアパート賃貸の契約ができない、ローンが組めないという現行の制度はハードルとなってきました。今回の法改正により、この問題が大きく改善されることになる見通しで、NPOなどによる児童養護施設からの自立支援にも影響が出てきそうです。

社会で子育てドットコム編集部

「社会で子育てドットコム」編集部では、虐待や経済的事情などの理由により親と暮らせない子どもたちを中心に、児童福祉についてニュース紹介や記事の執筆をしています。NPO法人ライツオン・チルドレンが運営しています(寄付はこちらから→ https://lightson-children.com/support/#donation )。

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