児童養護施設などで起きる子ども同士の暴力、厚労省が全国実態把握へ【4月27日更新】

児童養護施設などの福祉施設で暮らす子どもたちの間で起こる、子ども同士の暴力。中には子ども同士の性加害・性被害の報告もあります。
こうしたケースの実態について、これまでは各都道府県単位の把握に留まっていましたが、厚生労働省が2018年度中に全国レベルの実態把握に乗り出す方針であることがわかりました。4月15日~16日にかけて、朝日新聞 毎日新聞 などが伝えました。


写真は厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館。/ Photo by Lombroso, posted on Wikimedia Commons (public domain)

児童養護施設や児童自立支援施設などの社会的養護の施設をまとめて児童福祉施設と言います。児童福祉法では、これらの施設の職員による子どもへの虐待は都道府県への報告が義務づけられ、公表もされています。例えば、東京都が公表している資料はこちら
しかし、子ども同士の暴力は報告義務がなく、一部の都道府県が子ども間の暴力事故について報告を求めているにすぎませんでした。
また、都道府県が報告を受けた件数などについて、国に報告したり公表したりする仕組みはこれまでありませんでした。
朝日新聞の取材に対し、東京都は「施設や子どもへの偏見や誤解を生みかねない」などとしています。

一方、三重県では市民団体「みえ施設内暴力と性暴力をなくす会」の情報公開請求が認められ、福祉施設における子ども間の性暴力が2008~2016年度の9年間に111件あったことがわかっています。三重県内の児童福祉施設では600人超の子どもが生活。それに対し、2008~2016年度の性被害に関わっていたのは被害者、加害者を合わせて計274人でした。

朝日新聞の情報開示請求に対して東京都が開示した情報によると、都が報告を受けた子ども間の性的事故は、2015年度に63件、2016年度に74件、2017年度は12月までに60件あったということです。

厚労省は2018年度中に調査を実施する方向で調整しており、確認された性被害や暴力行為の報告を都道府県に義務付けることや件数の公表も検討するとのことです。

【4月27日更新】 厚生労働省は児童相談所を設置する69の自治体(都道府県・政令指定都市など)に対し、児童養護施設などの児童福祉施設内で性暴力を受けるなどして悩んでいる子どものために、相談先の周知を徹底するよう求める通知を27日付で出しました。具体的には、施設内に自治体や第三者委員の相談窓口の電話番号を掲示したり、意見箱を設置したりといった対応を求めています。この通知では、子ども間の性暴力などを放置した場合、施設職員による児童虐待(ネグレクト)にあたると明記しています。朝日新聞などが伝えました。

社会で子育てドットコム編集部
社会で子育てドットコム編集部

「社会で子育てドットコム」編集部では、虐待や経済的事情などの理由により親と暮らせない子どもたちを中心に、児童福祉についてニュース紹介や記事の執筆をしています。NPO法人ライツオン・チルドレンが運営しています(寄付はこちらから→ https://lightson-children.com/support/#donation )。